トイレの凍結防止策！水を小出しにする方法やおすすめヒーターも紹介

トイレが凍結する原因

配管やトイレ本体が冷え込むと水が凍り、正常に使えなくなります。ここからは、凍結が起こる仕組みや注意すべき環境を分かりやすく解説します。

トイレが凍結するメカニズム

トイレが凍結するのは、気温が0℃前後まで下がることで、配管内部やタンク内の水が氷へと変化するためです。

水は凍ると体積が増える性質があり、気温が低くなるほど配管内の圧力が高まりやすくなります。その結果、給水管の内部で氷が栓のように詰まり、水が流れなくなるのです。

特に、屋外に面した壁や床下を通る配管は冷気の影響を受けやすく、短時間で凍結するケースが多いのが特徴です。

トイレが凍結しやすい環境

トイレが凍結しやすいのは、冷気が配管やトイレ本体に直接伝わりやすい環境です。具体的には、以下のような条件が重なると凍結しやすくなります。

寒冷地だけでなく、都市部でも条件が重なると凍結は発生するため、油断はできません。

凍結によって発生するトラブル

トイレが凍結すると、「水が流れない」「タンクに水が溜まらない」といった不具合が起こります。トイレが使えない状態が続くため、生活に大きな支障をきたしてしまうでしょう。

さらに深刻なのは、氷の膨張によって配管が破裂してしまうケースです。破裂すると大量の水漏れにつながり、床や壁まで被害が広がることがあります。

こうしたトラブルは修理費が高額になることもあるため、早めに凍結対策を行うことが重要です。

トイレの凍結時にやってはいけないNG行動

トイレが凍結したときは、以下の行為は避けましょう。

急激な温度変化は陶器の破損や配管トラブルを招き、修理費が高額になるおそれがあります。まずは安全な解凍方法を試し、改善しない場合は専門業者へ相談してください。

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2023/10/24

今すぐできるトイレの凍結防止対策

トイレの凍結を防ぐには、事前の対策が何より重要です。ここからは、すぐに実践できる効果的な凍結防止方法を紹介します。

少量の水を出し続ける

トイレの凍結を避ける最も手軽な方法が、少量の水を出し続ける対策です。水は流れている状態だと凍りにくいため、給水管の温度が下がっても氷ができにくくなります。

方法としては、タンク横の止水栓をわずかに開き、水を少量出し続けます。ポタポタと水滴が落ちる程度の流量で十分効果があります。

ただし、水の流しすぎは水道代が高くなる原因になるため、最小限の量に調整することが大切です。凍結の恐れがある日だけ行うようにすると安心です。

凍結防止ヒーターを設置する

外気に触れやすい配管がある場合は、凍結防止ヒーターを設置すると効果的です。

ヒーターは配管に巻き付けて使用するタイプが多く、電源を入れると配管をじんわりと温めて凍結を防ぎます。

タイマー付きや省エネタイプの製品もあり、連続使用時の電気代を抑えやすい点もメリットです。

取り付けは比較的簡単ですが、配管の材質や長さによって適した製品が異なるため、購入前に確認しておきましょう。

自分では判断が難しい場合や配線作業が必要な場合は、専門業者に相談しながら設置する方法がおすすめです。

断熱材・カバーで配管を保温する

ホームセンターなどで購入できる保温材や断熱カバーを巻き付けるだけで、冷気が配管に直接伝わるのを防げます。

施工方法はとてもシンプルで、配管の長さに合わせてカバーを切り、隙間ができないようにしっかり取り付けるだけです。さらに、テープで固定すると保温効果が高まります。

費用が比較的安く、DIYで取り付けやすいため、まずは試したい凍結防止策です。ただし、カバーだけでは対策が不十分な場合もあるため、状況に応じてヒーターと併用するといいでしょう。

トイレ用不凍液（凍結防止剤）を使用する

便器内の水が凍るのを防ぎたい場合は、トイレ用の不凍液を活用する方法があります。不凍液は水の凍結温度を下げる性質があり、気温が下がっても水が凍りにくくなります。

使い方は、便器内やタンクに規定量を注ぎ入れるだけです。

外出時間が長い日や、トイレの使用頻度が減る夜間に効果を発揮してくれます。不凍液は流すことで希釈されるため、必要に応じて追加してください。

使用する際は、必ずトイレ用に作られた「プロピレングリコール（PG）系」を選んでください。

車用の不凍液は人体に毒性があり、下水処理施設で処理できません。車用の不凍液を便器から流してしまうと、法律上は不適切廃棄（不法投棄扱い）になる可能性があります。

TOTOトイレの凍結防止機能の使い方

TOTOの一部モデルには、「凍結防止モード」が搭載されています。この機能を正しく使うことで、寒い時期でも安心してトイレを使用できます。

凍結防止モードの設定方法

TOTOの凍結防止モードは、給水経路に少量の水を自動循環させることで凍結を防ぐ機能です。

操作方法は機種によって異なりますが、一般的には操作パネルの「節電」「省エネ」「タイマー」などを数秒長押しして切り替えます。

ランプや画面に凍結関連の表示が点灯すれば設定完了です。寒波が来る夜間や外出でトイレの使用が少なくなるタイミングにオンにしておくと効果が高まります。

使用前後のランプ状態を確認することで、切り替え忘れを防げます。

凍結防止モードの解除方法

凍結防止モードを解除する際は、設定時と同じ操作ボタンを軽く押してオフに切り替えます。

ライト表示が消える、もしくは通常の運転表示に戻っていれば解除されています。凍結の心配がなくなった季節や、通常の運転に戻したい場合に適宜オフへ切り替えてください。

解除方法や表示内容は機種によって異なるため、判断に迷う場合は取扱説明書またはメーカーサイトを確認すると安心です。

水道代が上がりやすい点には注意

凍結防止モードを使用する際は、水道代が上がりやすい点に注意が必要です。

少量の水を自動で流し続ける仕組みのため、長期間オンにしたままにすると、その分水道代が高くなるケースが見られます。

凍結が心配な夜間や外出時など、必要なタイミングだけ使うよう意識すると負担を抑えられます。節約と安全を両立させるためにも、寒い日のみに限定して活用する方法がおすすめです。

トイレの凍結防止におすすめのヒーター3選

配管やタンクまわりが冷え込みやすい住宅のトイレでは、ヒーターを使った凍結対策が効果的です。

ここからは、用途に応じて選びやすい凍結防止ヒーターを3つ紹介します。

SKジャパンのミニパネルヒーターは、コンパクトなうえ安全機能も備わっています。八光電機の凍結防止ヒーターは、給水管に巻き付けて使用するスタンダードな製品です。ダイワ化成のヒーターは、タンク内の水を直接温めるタイプで、防水仕様のためそのまま沈めて使えます。

どの製品も比較的入手しやすい価格帯なので、寒くなる前に準備しておくと安心です。

長期不在時のトイレ凍結防止対策

数日〜数週間家を空ける場合は、短期的な対策だけでは凍結を防ぎきれない場合があります。不在時に外気温が大きく下がるときは、事前に水を抜いたり、不凍液で保護する方法が効果的です。

水道管の水抜きをする

旅行や帰省前など「使わない期間が明確なとき」には、水道管やトイレタンク内の水をあらかじめ抜いておくといいでしょう。

まず、元栓を閉めてからトイレのレバーを操作し、タンク内の水をしっかり排出します。その後、止水栓をゆっくり開閉し、給水管に残った水を流し切ってください。

帰宅後は元栓を開け、各所の水が正常に出ることを確認してから使用しましょう。

便器内の封水を不凍液で保護する

水抜きをしても、便器の奥にある排水トラップには少量の水「封水」が残ります。封水が凍ってしまうとひび割れを起こす原因にもなるため、不凍液で保護する方法が効果的です。

使い方は、便器内に適量の不凍液を注ぐだけで封水の凍結温度を下げられます。不凍液は必ずトイレ用を選び、車用の不凍液は使用しないよう注意しましょう。

帰宅後は、何度か水を流して不凍液を完全に流してから、通常通り使用してください。

寒冷地住宅では「流動方式」が効果的

寒冷地では、「流動方式」が広く使われています。これは前述した水を少量ずつ流し続ける方法のことで、長期不在中に外気温がかなり低くなっても、安定して凍結を防げます。

TOTOの一部モデルに搭載されている「凍結防止モード」も、この流動方式が基本の仕組みです。

トイレ凍結時の自分でできる対処法

トイレが凍結してしまった場合でも、適切な手順を踏めば自力で解消できることがあります。まずは落ち着いて、安全な方法から試しましょう。

室温を上げて自然解凍する

最も安全な方法は、トイレ全体を温めて自然に氷を溶かすことです。

暖房をつけたり、扉を開けたりして部屋の暖かい空気を取り込むだけでも効果が期待できます。30分〜1時間ほど様子を見ると配管内部の氷がゆっくり溶けていきます。

ぬるま湯を使って解凍する

自然解凍で改善しない場合は、40℃前後のぬるま湯をタオルに含ませ、給水管やタンクの周囲にあてて温めます。お湯を直接かけるのではなく、タオル越しにゆっくり温めるのがポイントです。

ドライヤーやカイロでゆっくり温める

ドライヤーや使い捨てカイロを使って温める方法も効果的です。風を一点に当て続けず、弱風で少しずつ温めることで配管の変形や破損を防げます。

カイロをタオルで包み、給水管に当てるのも手軽にできる方法です。いずれも短時間で無理に解凍しようとせず、時間をかけて温めることが大切です。

トイレの凍結防止で困ったら水道修理業者へ相談

トイレの凍結対策や凍結後の対処に不安がある場合は、無理をせず水道修理業者に相談することをおすすめします。

業者選びにお困りの方は、水道局指定工事店の「水廻り修理サポートセンター」におまかせください。対応エリアには最短30分で駆けつけ可能で、配管の凍結や破損といった急なトラブルにもスピーディに対応します。

時間外料金や見積もり・出張費などの諸経費は無料です。トイレ以外の水まわりトラブルにも幅広く対応しておりますので、お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。

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