トイレの漏水はオーバーフロー管が原因？交換方法や修理費用を紹介

この記事では、トイレタンクを構成する部品のひとつ「オーバーフロー管」についてまとめています。タンク内の水位を制御する大切な役割を担うオーバーフロー管ですが、故障や劣化によってトイレタンクに異常をきたす恐れもあります。

オーバーフロー管の故障がもたらすトラブルのリスクを把握しておき、問題があった場合は冷静に対処できるように準備しておきましょう。修理の方法や費用相場も紹介するため、参考にしてください。

トイレタンクの漏水はオーバーフロー管が原因の可能性あり

トイレで発生する漏水トラブルは、便器本体だけでなくトイレタンクの不具合で発生することもあります。

タンク自体が物理的に損傷している状況でもなければ、水位調整のための部品「オーバーフロー管」が原因のケースが多いです。

トイレタンクから漏水が起きていたら、まずはオーバーフロー管に異常がないかを確認してみましょう。これまで正常にトイレを使用できていた場合は、オーバーフロー管がタンク内部で破損した可能性があります。

この問題を解決するためには、オーバーフロー管を新しく交換する作業が必要です。

オーバーフロー管の修理方法

オーバーフロー管の修理方法を紹介します。トイレタンクの部品交換は必要な道具を揃えて、交換手順を正しく理解できるならば自身でも可能です。

修理にあたっては、以下の道具が必要です。

• オーバーフロー管
• モンキーレンチ
• ウォーターポンプフライヤー

その他、あふれた水を拭き取る用の雑巾や、手を保護するためのゴム手袋等も忘れずに用意してください。また、修理方法の手順は以下の通りです。

それぞれの手順について、詳細を見ていきましょう。

1.止水栓を閉めてトイレタンクの蓋を外す

作業を始める前のにあたって、まずは止水栓を閉めてトイレタンクの蓋を外しましょう。止水栓を閉めなければトイレタンクに水が供給され続けてしまい、作業中も水が止まらなくなります。

マイナスドライバーや硬貨を使ってつまみを回す、ハンドルタイプであればハンドルを回して止水栓を完全に閉めてください。

その後、トイレタンクの蓋を落とさないよう慎重に外して、作業の邪魔にならない場所に置きましょう。

2.タンク内の水を排水後、給水管とトイレタンクを取り外す

オーバーフロー管を交換するためには、トイレタンク内部の水を排水して取り外して、作業ができる状態にしなければなりません。

レバーを回して便器への排水を数回行い、タンク内を空っぽの状態にします。

その後、モンキーレンチでタンクにつながる給水管とタンク裏のナットを外して、トイレタンク本体も取り外します。

取り外したトイレタンクは、交換作業がしやすいよう床に寝かせる形で置いてください。タンクは重量があり陶器製のため、高い所から落として割れないように要注意です。

3.オーバーフロー管を新しいものへ交換する

トイレタンクを取り外したら内部のオーバフロー管を確認して、ウォーターポンプフライヤーで根元の部分をはさみ回しながら取り外します。

その後、新しいオーバーフロー管を用意してタンクに差し込み、同じくウォーターポンプフライヤーを使って回しながら取り付けます。正しく取り付けなければオーバーフロー管は機能しないため、慎重に実施してください。

4.トイレタンクを元に戻して止水栓を開ける

オーバーフロー管を取り付けられたら、2の手順で外した給水管とトイレタンクを元の状態に戻して、ナットをきつく締めて固定します。

元に戻したら、止水栓を開けて再びタンクに水が流れるようにしてください。

5.レバーを引いて問題なく水が流れるか確認する

最後にトイレのレバーを引いて問題なく水が流れるか、そしてタンクからの漏水も起きていないかを確認して、交換修理は完了です。

周囲に飛び散った水や汚れは綺麗に拭き取っておきましょう。

オーバーフロー管の修理費用相場

オーバーフロー管の修理費用相場を紹介します。オーバーフロー管の修理方法は主に以下の二通りがあります。

• 自分で部品を交換して修理する
• 業者に修理を依頼する

それぞれで費用相場も異なるため、トイレの状況や予算にも応じて最適な方法を選んでください。

自分で部品を交換して修理する

自分で部品を交換して修理する場合、オーバーフロー管本体と作業に使う道具代がかかります。それぞれの費用相場は以下表の通りです。

用意するもの	費用相場
オーバーフロー管	3,000円～5,000円
モンキーレンチ	1,000円～3,000円
ウォーターポンプフライヤー	1,000円～5,000円

ウォーターポンプフライヤーは水道管工事の経験がなければ所有している方も少ないため、まずは購入しなければなりません。

オーバーフロー管は、修理するトイレタンクの型番・形式に合った物をよく調べた上で入手してください。自分で修理する際は、事態を悪化させないように方法をよく調べて、落ちついて作業に取り掛かりましょう。

業者に修理を依頼する

水道修理業者に依頼すれば、オーバーフロー管の交換は確実かつ丁寧に実施してもらえます。依頼する場合はトイレタンク内の部品交換代として8,000円〜15,000円程度、加えて以下の諸経費が発生します。

諸経費	料金相場
基本料金	2,000円～4,000円
出張費	無料～4,000円
見積もり費用	無料～3,000円
時間外料金	3,000円～10,000円
作業料金	2,000円～5,000円
処分費 ※部品交換の場合	3,000円～10,000円

水道修理業者は各自で諸経費を設定しているため、費用を安く抑えたい場合は諸経費が安い業者を探しましょう。お得な費用で修理サービスを提供する業者は、こちらの記事も参考にしてください。

オーバーフロー管の故障原因

普段トイレタンクの蓋は閉まっており、内部を触る機会も少ないですが、以下のような原因でオーバーフロー管が故障する点は覚えておきましょう。

経年劣化

オーバーフロー管はプラスチック素材の製品が多く、正常に稼働しているトイレタンクの場合は常に水の中にあることから、経年劣化で徐々に脆くなっていきます。

オーバーフロー管をはじめトイレタンク部品の寿命は10年〜15年前後とされており、寿命を過ぎると本来の性能を発揮できない、穴あきなどの物理的損傷が起こるリスクが高まります。

長期間使い続けていたトイレで急な漏水が起きた場合は、オーバーフロー管などのタンク内部品の劣化をまずは疑ってみましょう。

清掃時の破損

トイレタンク内の汚れをスポンジやふきん等で落とす場合、作業中にオーバーフロー管に当たってしまうと破損につながります。強度が低いオーバーフロー管は、外部の衝撃で壊れる可能性が高いのです。

また、タンク内を薬剤で洗浄する際も、製品によってはオーバーフロー管をはじめとする部品を痛めてしまう恐れがあります。

トイレタンク用の洗浄時として販売されていない塩素系の漂白剤などを使用することは控えておきましょう。

部品交換時の破損

タンク内部品を交換する時に、誤ってオーバーフロー管に手や部品をぶつけてしまい破損するケースもあります。

オーバーフロー管を取り付ける際も、力まかせに作業していては新品でも壊れる可能性は高いです。清掃時と同様に、トイレタンクの内部を触る時は慎重に作業してください。

タンク内の異物による破損

タンク内に異物が紛れている場合、その異物が原因で故障する可能性も考えられます。

たとえば、トイレの節水法として有名な「タンク内にペットボトルを入れて増えた体積分を節水する」方法ですが、これは異物をタンク内に入れることになるためおすすめできません。

オーバーフロー管をはじめとする部品がペットボトルにぶつかることで、部品がずれて不具合を起こしたり破損へとつながります。

タンク内にはいかなる異物も入れず、必要な部品と水のみが入っている状態を常に維持しましょう。

オーバーフロー管の交換に関する注意点

オーバーフロー管を交換する際の注意点をいくつか紹介します。自力でも交換可能なオーバーフロー管ですが、以下の点には注意した上で適切かつ安全に作業を進めてください。

型番が正しいか確認する

オーバーフロー管の交換時は、型番をよく確認の上で新しいものを用意してください。

管のサイズやタンク・便器との接続方法などに違いがあり、誤った製品を用意するとトイレタンクに取り付けできません。

たとえばサイズの場合、数値がmm表記のメーカーもあればφ(ファイ)という単位で表記されるメーカーもあるため、事前にトイレのメーカーやオーバーフロー管をよく調べて正しいものを購入することが重要です。

交換作業に不安があれば業者に依頼する

オーバーフロー管の交換作業を自分で進めることに不安がある場合は、無理に進めず業者に依頼してください。

オーバーフロー管を固定するナットの取り外し、トイレによってはタンクの取り外しが必要なものなど、知識がなければスムーズに作業を実施できません。

上手に取り付けられず被害が悪化する、また道具代が無駄になってから業者に依頼することで、結果的にははじめから業者を呼んでいた方が安く済んでいたケースもあります。

確実に交換してもらうためにも、不安がある方は業者にお願いしましょう。水道局指定工事店に指定されているおすすめ業者は、こちらの記事でも紹介しています。

作業中に衝撃を加えない

オーバーフロー管はプラスチック製のものがほとんどで、強度は高くなく壊れやすい部品です。そのため、交換作業中に衝撃を加えると破損する可能性も高いため注意してください。

他の部品に強くぶつける、力まかせに取り付けるなどの行為は控えましょう。

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