漏水調査の種類や調査の流れは?調査費用や調査依頼先ついても解説

2023/11/02

2024/09/13

本記事ではお住まいの住宅や敷地内での漏水調査の種類や調査にかかる費用など、漏水調査に関するさまざまな情報について解説しています。

水漏れの可能性を指摘された場合や漏水調査の必要性を感じている場合には、非常に役立つ情報です。

漏水調査で失敗しないためにも、ぜひ調査を依頼する前に一読しておくことをおすすめします。

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自宅などの漏水調査は所有者や管理者が手配

漏水が発生している個所によって、漏水調査を依頼すべき人や連絡先が異なります。

水道メータよりも道路側で漏水が発生している場合は、市区町村の管轄です。漏水調査は管轄の水道局にて実施(依頼)となり、修繕にかかる費用などは市区町村の負担となります。

一方、水道メーターよりも家屋側で漏水している場合は、その土地や建物の所有者や管理者にて漏水調査や修繕依頼の手配が必要です。それがたとえ屋外であったとしても同様です。

漏水調査や漏水修繕費用についても、自己負担となるため注意が必要です。

 

一部の漏水では水道料金の減額・減免が受けられることもある

一部の漏水では水道料金の減額・減免が受けられることもある

宅地内などで発生した漏水でも、一部自治体の条件に適用するケースでは、水道量(水道代金)の減額や減免を受けられる場合もあります。

たとえば以下のような条件下で漏水した場合などが、減免申請の適用対象です。

  • 地中や床下、壁の中など露出していない場所で発生した漏水
  • 自然災害(自身や大雨)などが原因で起きた不可抗力の漏水
  • 正しい使い方で使用者に過失のない状況下での漏水

ただし自治体によって条例が異なるため、減免申請を受けたいと考えている場合は、事前に水道局などに問い合わせをしておくことをおすすめします。

なお、漏水に伴う減額・減免申請で減額などが受けられるのは、水道料金の一部のみとなっています。全額の免除はできないほか、漏水調査にかかる費用や漏水箇所の修繕工事にかかった費用の補助などは受けられません。

 

自分で漏水しているか調べることはできる?

自分で漏水しているか調べることはできる?

漏水の可能性があるとはいえ、いきなり業者などに漏水調査を依頼するのは、なんとなく不安だというかたもいるでしょう。

夏場などはたくさんの水を使用することもあるため、水道料金が多少上がっただけでは漏水だと判断しきれないというお宅もあります。

水道局から漏水の可能性を指摘された場合でも、本当にそれが漏水によるものなのか判断できないため、自身で確認したいという方も少なくはありません。

漏水個所の特定は難しくとも、漏水しているかどうか自分で確かめる方法はあります。

 

自分で漏水の有無を確認する方法

ご自宅に設置されている水道メーターや電子(デジタル式)水道メーターの動きから、漏水の有無を判断できます。

水道メーターは水道メーターボックス内に収められていることが多いです。水道メーターボックスを開けて水道メーター本体のふたを開き、水道メーター様子を見て漏水の有無を確認します。

家中の蛇口や水栓などをすべて閉めた状態でメーターを確認した際、水道メーターのパイロットと呼ばれる部分が回転していれば「漏水の可能性大」です。パイロットとは水道メーターについている、銀色の円盤のようなパーツです。

通常水を使用していない状態であれば、パイロットは回転しません。水を使用していないのにパイロットが回転しているあ場合は、給水管のどこかで水が流れている(漏れ出ている)ことを示しています。

電子水道メーターの場合も、パイロットの反応で漏水の有無を確認します。電子水道メーターの場合、回転するパーツはありませんが、液晶部分にパイロットランプがあります。水道未使用の状態でパイロットランプが点滅している場合は、漏水の可能性があると判断できるのです。

一部の電子水道メーターには、「漏水の可能性あり」と文字情報で知らせてくれるものもあります。

 

ただし自力で確認できるのは漏水の有無のみ

とはいえ、水道メーターによる確認方法でわかるのは「自宅のどこかで水漏れが発生している」という情報のみです。

それが家の中で発生しているのか、床下なのか、はたまた庭先さきなのかまでは確認できません。

また排水管など給水管以外の箇所で漏水している場合は、水道メーターでは漏水の有無を確認できません。

実際に漏水が発生しているのであれば、ただちに漏水箇所を突き止め、漏水修理が必要です。

漏水被害の拡大を防ぎ、これ以上漏水による水道代を増やさないためにも、できるだけ早く専門家に漏水調査と修繕依頼することをおすすめします。

 

漏水調査の全体的な流れ

漏水調査の全体的な流れ

専門家に依頼した場合の漏水調査の流れについて、簡単に説明します。

 

漏水の有無と漏水量のチェック

水道メーターを確認し、漏水しているかどうかを判断します。

パイロットの回転だけでなく、リットル計とよばれる目盛で、どれくらいの量が漏れているのかも確認します。

※漏水箇所が給水管以外(排水や雨水)の場合は、水道メーターによる確認が行われない場合もあります。

 

水まわりや設備を目視・接手などで調査確認

蛇口や水道、給水管や排水口の接続部分などを目視または直接触れることで、漏水の有無を確認します。

 

漏水音の有無で漏水している場所の絞り込み

音聴棒や音聴器、探知機などを利用し、漏水時に発生する特徴的な音を増幅させることで、漏水箇所を絞り込みます。

調査器具や探知機などは、漏水調査を行う個所に応じて使い分けるのが一般的です。

漏水探知機の中には、床下やコンクリートの下の音も拾えるものなどもあります。

 

特殊な機器を使用して漏水調査を行うことも

じわじわと漏れ出てくるようなわずかな漏水や、床下・壁内などでおこる漏水では、音聴器や探知機などで特定できないこともあります。

このような場合には、トレーサーガスと呼ばれる細かい粒子のガスを用いて漏水箇所を調べることもあります。

また排水管で発生する漏水の場合は、水漏れ時の音が発生しません。

このような場合には、管内カメラなどを活用して、漏水調査を行うことも。

いずれも漏水箇所や漏水状況に応じて、さまざまな器具や機器を使用して漏水している場所を絞り込んでいくのです。

 

漏水部分を特定

床下や地中、コンクリートや壁内の給水管で漏水している場合、その部分を壊して漏水部分を特定します。

 

漏水箇所の修繕・修理

漏水箇所が特定でき次第、修繕作業に入ります。(調査のみ依頼の場合は、漏水部分の特定まで)

 

漏水調査の種類と調査費用相場

漏水調査の種類と調査費用相場

漏水調査の流れでも簡単に触れたように、漏水調査時はさまざまな方法や器具・機材を使い段階的に調査を行います。

ここでは多くの専門家が行う漏水調査の種類と、その調査費用の相場を紹介します。

 

漏水調査の種類

音聴調査

音聴調査は水道修理業者などに漏水調査を依頼した場合、多くの業者が最初に行う調査です。

「音聴棒」と呼ばれる金属の棒を止水栓や給水管に当てて、漏水音を確認します。

漏水の有無や、ある程度漏水箇所の絞り込みを行う際などに、簡易的に使用する場合もあります。

 

漏水探知機

漏水探知機と呼ばれる電子機器をつかい、漏水音を増幅させて調べる方法です。

耳で聞き取るのではなく機械的に探知するため、騒音があるような場所でも調査ができます。

直接触れられないような場所にある給水管も調査できるため、床下やコンクリートの下などにある給水管の漏水の有無を調べる際にも用いられます。

 

トレーサーガス式漏水調査(透過式漏水検査工法)

トレーサーガス式漏水調査は、水道管の中に粒子の細かなガスを充満させることで、どの場所からガスが漏れ出てくるか探知機を用いて調べる方法です。

環境音の大きな場所でも周囲の音の影響を受けず漏水調査が行えるほか、漏水音の発生しないようなわずかな漏水も探知できます。

 

管内カメラ調査

排水管などに直接スコープカメラを挿入し、配管内をモニターで確認する調査方法です。

人が入るのがむずかしい場所の漏水調査にも活用可能。漏水音が発生しない排水管の漏水調査などで、多く利用されている調査方法です。

 

調査内容別料金相場

それぞれ調査内容別の漏水調査費用の相場は以下の通りです。

漏水調査内容 費用相場
水道メーターや目視での確認 0円〜
音聴調査 8,000円~15,000円
漏水探知機 12,000円~15,000円
トレーサーガス式漏水調査 戸建:20,000円~30,000円
マンション:150,000円〜300,000円
管内カメラ調査 60,000円~100,000円

上記はあくまでも料金相場です。お住まいの住宅の規模や地域などによって、漏水調査の料金は大きく変わるため注意が必要です。

なお、マンションの場合、水道設備や水道管や排水管の本数が多く、調査に時間がかかることが多いです

そのため一戸建て比べると、マンションの漏水調査費用の方が高くなる傾向にあります。

 

住宅設備の水漏れ調査と修理費用の相場

漏水が発見できた際には、漏水箇所を修繕する必要もあります。

見積もりの際は、漏水調査だけでなく修繕費用についてもあわせて見積もりをしてもらうと安心です。

ただし、漏水個所の特定や漏水状況によって修繕作業や費用は大きく変わってきます。

見積もり時は概算となることが多いため、あらかじめそれも踏まえて確認しておくのがおすすめです。

水漏れ箇所 修理料金相場
蛇口まわりの水漏れ 10,000円~30,000円
キッチンシンク下の水漏れ 10,000円~30,000円
洗面台下の水漏れ 10,000円~30,000円
トイレの水漏れ 10,000円~
浴室の水漏れ(混合水栓、シャワーホースなど) 10,000円~

なお上記のような水道設備による水漏れの場合、修理費用に水漏れ調査の費用が含まれていることもあります。

また給水管の交換や修繕が必要となる場合や、壁や地中を掘って修繕作業が必要な場合には、状況に応じて費用が大きく変わってきます。

上記はあくまでも目安とし、見積もり時には修理費用も含めて比較検討することをおすすめします。

 

漏水調査にかかる費用の詳細や料金相場の詳細はこちらも参考になります。

 

漏水調査はどこに依頼すべき?

漏水調査はどこに依頼すべき?

住宅やマンションなど、個人の資産となる給水設備で発生した漏水調査は、水道局などでは対応してくれません。

水道メーターから宅地側の漏水調査は、お住まいの地域の「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」に依頼するのがおすすめです。

 

水道局指定工事店でなければできない漏水修理がある

「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」とは、給水区域で適切な給水装置工事ができると認定され、水道局から「指定」を受けた水道修理業者のことです。

水道修理業者は、水道局の認可を受けた「指定給水装置工事事業者(以下:水道局指定工事店)」と、そうではない「非指定業者」に分けられます。

漏水調査自体はどちらの水道業者でも対応できますが、給水装置(水を住宅に送る水道管など)の修繕や交換、新設などの「水道工事」は水道局指定工事店でなければ行えない決まりとなっているため注意が必要です。

非指定業者に漏水調査を依頼することもできますが、漏水がわかっても非指定業者ができるのは、パッキンや蛇口の交換などにとどまります。

水道管など給水装置で漏水していた場合には、修繕対応が可能な水道局指定業者に再度修繕依頼をする必要が出てしまうのです。

 

漏水証明書の発行も水道局指定工事店のみが対応できる

床下や壁の内側などで漏水しているなど、一定の条件に合致する場合には、増えてしまった水道料金の減額や減免申請が行えます。

多くの水道局や企業局では、減免申請の際に漏水修理を行った照明として、漏水証明書の提出が求められます。

しかし漏水証明書の発行は「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」しかできません。

漏水証明書には、修繕工事を施工した事業者名や修繕内容などを記載する必要があります。非指定業者に修理依頼をし、後から指定業者に証明書だけを発行してもらうといったこともできないのです。

こうした理由からも、漏水調査や修繕作業は「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」に依頼すべきだといえます。

各水道局でも漏水調査や修繕は、給水区域の水道局が指定する「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」に依頼するようアナウンスしています。

非指定業者と消費者の間では、修理や費用に関するトラブルの相談なども相次いでいます。

漏水調査後に修繕の依頼も予定している場合には、漏水調査の段階から水道局指定工事店に依頼するのが最善です。

 

漏水調査依頼時のポイントと注意点

漏水調査依頼時のポイントと注意点

漏水箇所を特定し適切に修繕を行ってもらうためにも、漏水調査を依頼する際は技術力のしっかりとした事業者に依頼することが大切です。

業者選定や見積もり相談時のポイント、注意点などについて解説します。

 

お住まいの給水管轄の水道局指定工事店に相談する

他県他市で水道局指定工事店の認定を受けている事業者であっても、お住まいの自治体で指定されていなければ非指定業者と同様の扱いとなってしまいます。

水道局指定工事店に相談する場合は、必ずお住まいの地域の水道局や企業局の指定を受けている業者かを確認しましょう。

お住まいの地域で「指定給水装置工事事業者(水道局指定工事店)」に指定されているかどうかは、担当管轄給水区域の水道局ホームページにて確認できます。

またお住まいの地域に対応している水道修理業者に直接問い合わせをすれば、その地域で指定を受けているかどうか教えてもらうことも可能です。

 

強引な物言いをする事業者はあまりおすすめできない

漏水は水道修理のなかでも非常に緊急性の高い事象です。そのため依頼者も不安な気持ちが強く、どうしてよいかわからずにいる人もいます。

こうした状況につけ込むかのように、強引な施工や調査をすすめようとする事業者もまれに存在します。またなかには技術力が十分でないために、もっともらしい理由をあげて手当たり次第に地面を掘り起こすことを提案するような事業者もいます。

このように強引な物言いや提案をされた場合は、いったん依頼を保留し、ほかの事業者に相談してみることをおすすめします。

給水指定業者は1社だけではありません。本当にそういった作業が必要なのか、わかりやすく丁寧に説明してくれる業者に依頼する方が安心安全です。

 

見積もり依頼時は必ず複数の業者に相見積もりを

漏水で焦る気持ちはわかりますが、よさそうな事業者を見つけたとしても、いきなり依頼してしまうのはおすすめできません。

漏水調査や修理では、場合によって規模が大きく、かかる費用なども高くなることがあります。

まずは複数の業者をピックアップし、相見積もりを依頼しましょう。

相見積もりを行うことで料金の比較ができるほか、事業者の対応や作業内容なども比較できます。

実際に見積もり依頼をし、信頼できると感じた事業者に相談するのがベストです。

 

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